手ぶれ防止の対策 – デジタルカメラ撮影テクニック

手ぶれとは – 手ぶれと被写体ぶれ

手ぶれには2種類あります。シャッターが開いている間にカメラやレンズが動いて写真がぶれるものと,被写体が動いて写真の一部がぶれるものがあります。カメラやレンズが動いてぶれた写真を手ぶれと呼びます。被写体が動いて写真がぶれた写真は被写体ぶれです。

手ぶれはカメラ・レンズが動くため画面全体がぶれて写ります。これに対し被写体ブレは動いているものだけがぶれるので区別できます。短距離走の手足の先や動いている車両、夕方の遊園地、海岸や川辺の水面、噴水のように早く動いているものは日常の写真でもぶれて写っていることが多いものです。

ぶれの種類と原因、特徴

ぶれの種類 原因 特徴
手ぶれ シャッターが開いている間のカメラの動きで起こる ・写真全体にブレがある

・動きが小さい場合ピンぼけに見えることもある

被写体ぶれ シャッターが開いている間に被写体の一部が動く 全体的にはピントもあってブレがないが、動きがあったものだけブレる

 

ぶれの原因 – 手ぶれとシャッタースピード

ぶれの原因はカメラや被写体が動くせいでどちらも動かなければ手ぶれ・被写体ぶれは起こりません。被写体ぶれはシャッタースピードが根本的な理由ですが手ぶれの場合はカメラのホールドとシャッタースピードの複合的な理由になります。

手ぶれの原因 – 撮影者のホールドと対策

シャッターが開いている間にレンズのなかで動くものがぶれて写ります。カメラやレンズが動くと手ぶれが起こります。不安定な姿勢でカメラが安定しないと撮影中に(シャッターが開いている間に〉レンズに映る被写体が動いて見えます。実際には被写体が動いているわけではないのですが写真としてはぶれてできあがります。

手ぶれの原因と対策

手ぶれの状況・原因 対策
カメラが安定しない 脇を閉めてカメラを持つ
望遠レンズのぶれが止まらない 左手はレンズの先端を支える
ファインダーで撮影するとぶれる ファインダーを覗く側の眉で支える
背面のモニターで撮影するとぶれる ストラップを首から掛け腕で支える
コンパクトカメラが持ち難い 後付グリップや小型三脚を付ける
数多くシャッターを切るとぶれる 穏やかにシャッターボタンを押す
それでもぶれる 息を止めずに撮影する
立って撮影しているとぶれる 座る、寄りかかる、支えを使う
長時間の撮影でぶれる 一脚や三脚を使う

 

カメラを安定性を上げる持ち方 – 脇を締める

カメラを安定させるには腕を体に近づけるよう脇を締めます。力を入れると体が硬直して逆にぶれの原因になるのでリラックスしましょう。二の腕が軽く脇に触っているのを意識できる程度が理想です。

短いレンズのデジタル一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラであれば体の正面で構えることもできると思いますが、望遠レンズを付けたデジタル一眼レフでは少し窮屈かもしれません。その時はレンズを左肩の方に少し振り構えるようにしてください。望遠レンズはカメラに違い側を持つのではなくレンズの先端に近いところを持つようにすると手ぶれが減ります。

ファインダーを覗くのであれば眉で支える

カメラが安定させるには多くのところで支える必要があります。デジタル一眼レフであればファインダーがあるので望遠レンズを使った撮影ではファインダーを使っての撮影のほうが手ぶれが少なくなります。ファインダーを覗く際には両手に加え額や眉の部分でファインダーの周囲を支えるとカメラが安定します。

ストラップ・グリップを使う

コンパクトデジカメや標準・広角レンズを付けたデジタル一眼レフの場合は背面のモニターでの撮影が一般的です。この場合も脇を閉め撮影をすると手ぶれが少なくなります。またストラップを適切な長さで使えば両手に加え3本、4本でのホールドになるので安定性が上がります。

コンパクトデジカメであればストラップの他にも後付のグリップでホールド感を上げることもできますし、小さな三脚をグリップ代わりに使うこともできます。

ハイアングルやローアングル、接写の機会が多い方はバリアングルモニターと呼ばれる背面のモニターが動くものを選ぶとよいでしょう。無理な姿勢を作ることがなくリラックスして撮影に集中できます。

シャッターを切る動作でも手ぶれが

シャッターを押す動作で手首や腕が動くことでも手ぶれが発生します。シャッターは軽く押してもシャッターは切れますので、力を入れず穏やかにシャッターボタンに力を入れるようにします。ボタンを離すのはシャッターの動く音や振動が終わってからでも遅くありません。連写が必要な場合は連写モードへ切り替えましょう。

リラックスして撮影を

手ぶれを防止しようと呼吸を止めてしまうと、体に力が入ってしまい逆に手ぶれが増える原因になります。息を止めないで静かに呼吸しながらのほうが手ぶれが減るように思います。

立っている必要がなければ座って、壁や柱があれば寄りかかって、手摺や机などカメラを乗せることができればカメラを持つ手を何かに乗せるだけでも安定します。

三脚や一脚の利用も視野に入れて

数時間にも及ぶ長時間の撮影で疲れる時には一脚や三脚の利用を検討しましょう。会場の都合や混雑の程度で使用の可否はありますが使えるのであれば撮影が楽になります。カメラやレンズの重さを一身に受け、疲労や体の痛みに耐えるのではなく、道具を使い撮影に集中しましょう。

一脚・三脚の購入を除くと、カメラマンに対しての手ぶれ対策はほとんどコストの掛からないものばかりです。カメラを安定して構えることはどんな状況の撮影についても共通の技術です。最初はできなくても繰り返し練習することで安定します。デジタルカメラはシャッターを切ったあとすぐに写真を確認できるので何度も練習してください。

共通のぶれ防止の対策 – シャッタースピード / カメラができること

根本的な被写体ぶれ・手ぶれ対策はシャッタースピードを上げることです。プールへの飛び込みのシーンでまるで最初から動いていないかのような写真は1/2000秒や1/4000秒のような速いシャッタースピードで撮影されています。本来被写体は動いているのですがシャッタースピードが速いため極僅かな動きしか記録されず写真としては止まって見えるのです。つまりシャッタースピードを上げることで被写体ぶれ・手ぶれは防止できるのです。

シャッタースピードを上げるための対策とデメリット

シャッタースピードを上げる対策 デメリット
絞りを開く 被写界深度が小さくなりピントの合う範囲が狭くなる

ピント合わせがシビアになる

ISO感度を上げる 感度が上がるとノイズも増える

画像編集ソフトでノイズ除去が必要

露出を下げる 暗い写真になる

露出の補正編集が必要

フラッシュを使う 背景が暗くなる

被写体が遠いと光が届かないことも

会場によっては使えないところもある

広角側で撮影する 画角が変わるので表現が変わる

近寄れないと使えない

手ぶれ補正機能を使う 現在は主流の技術

購入すると高コストに

明るいレンズを使う 購入すると高コストに

絞りを開く

絞りを開くとシャッタースピードが上がります。絞りの設定値を1段小さくする(F8 から F5.6)とシャッタースピードは半分(1/15秒が1/30秒)に、2段小さくすれば(F8からF5.6からF4へ)シャッタースピードは元の値の1/4(1/15が1/60)になります。通常お任せモードやPモードを使っていると絞りは開放から1段または2段絞りを絞っています。これはレンズの描写性能を最大にするためで、絞りを開放で使うと描写性能は甘くなる傾向があるためです。

ISO感度を上げる

ISO感度を上げることでもシャッタースピードを上げることができます。絞りと同様に感度を2倍にするとシャッタースピードを半分にできます。ただし感度を上げ過ぎるとノイズが多くなるので、機種ごとの最適値を確認しておきましょう。

ノイズが乗っても必要な場合は遠慮せずに上げてください。撮影できるチャンスを逃してしまうよりも記録が残っていることのほうが重要な場合がほとんどです。

露出を下げる

露出を下げる方法もあります。数値的には絞りや感度と同じで1段下げるとシャッタースピードが半分になります。ただし写真の露光量が半分になるため暗い写真になります。撮影後フォトショップ等の画像編集ソフトによる補正作業が必要です。

フラッシュ・ストロボを焚く

フラッシュ(ストロボ・スピードライト)を使うことでもシャッタスピードを上げることができます。ただし、望遠レンズを使っていると被写体からの距離が遠過ぎで有効に使えないことがあります。また撮影会場によってはフラッシュの使用を禁止されることもあります。フラッシュ撮影に関しては硬い影の緩和にバウンスやレフ板、日中シンクロや夜景シンクロでの背景の絵作りが必要です。

より広角側で撮影

ズームレンズの中にはF値が焦点距離に応じて変わるものもあります。広角側と望遠側では2段程度違うものあります。一般的に広角側のF値は小さくできています。そこで被写体に近づいて撮影できるのであれば広角側での撮影で1段分明るい条件下での撮影ができます。また同じF値であっても広角側は画角が広い分手ぶれが目立ちません。逆に望遠側は手ぶれの振幅が同じでも画角が狭い分ぶれの距離が大きくなります。

手ぶれ補正機能

手ぶれ補正機能のついたカメラ・レンズは最近の機種では一般的になりました。3段4段程度の手ぶれ補正機能を持つカメラ・レンズも珍しくありません。200mmの焦点距離の望遠レンズの場合補正なしでは1/250秒程度のシャッタスピードが一般的に手ブレしない目安でした。これに3段、4段の補正があれば1/30秒、1/15秒でもぶれにくい撮影ができるということです。しかし手ぶれがなくなるわけではありません。補正しても画像は多少なりともぶれています。

明るいレンズを使う

F値の小さなレンズはレンズを通過する光の量が多いので速いシャッタスピードで撮影ができます。標準レンズ(焦点距離50mm前後)には安価でF1.8程度のF値の小さなレンズがあり、テーブルの料理から散歩中のスナップ、海岸や山岳の風景とオールマイティに撮影できます。

50mmから単焦点側も望遠側も離れていくに連れ明るいレンズは高価になります。望遠側は大量のガラスを使用するため大変高価になります。

明るいレンズをシャッタースピードを早くするために使うと絞りが開くため被写界深度が浅くなりピントの合う範囲が狭くなります。ピント合わせの精度が要求されます。

コンパクトデジカメでもレンズの明るい機種が選べます。高級コンパクトの中にはレンズのF値が小さな明るいレンズを持っているものが多いのでここから選ぶことになります。デジタル一眼レフ用レンズと同様明るいレンズを持つコンパクトデジカメも高価です。

今日のかんたんまとめ

手ぶれはシャッタスピードが遅いことが原因で発生します。カメラのホールドを安定させ、シャッタスピードを速くできるよう設定を変えましょう。カメラのホールドを工夫するだけでもシャッタスピード2段程度の安定性を稼ぐことができます。

手ぶれも被写体ぶれも意に反して起これば失敗写真ですが意図的に効果的に用いるとスピード感を表現できるためよく用いられる撮影テクニックでもあります。